「ものづくり」カテゴリーアーカイブ

「グローバル・ニッチトップ企業論」

中小企業と言っても、昔からの下請型企業、特定工程に強い中小企業、ニッチトップ型企業、グローバル・ニッチトップ企業といった類型ごとに企業戦略として採るべきスタンスも異なる…。そんなヒントが、ケーススタディとともに多数示されています。

「グローバル・ニッチトップ企業論」書籍と講演
[グローバル・ニッチトップ企業論、細谷祐二著、白桃書房刊、2014年]

同書籍、および3月に開かれたシンポジウム「多摩の中小企業の知られざる国際化と経営者の姿」(主催:東京経済大学・多摩信用金庫)における同氏の基調講演を混ぜこぜにしたメモです。

■海外生産より海外販路開拓、ニーズ把握を
内容は、ざっくり言って「普通に良い中小企業」と「海外進出し高業績を示している中小企業」の差を分析したもの。ニッチだが世界で高いシェアを持つ製品を複数持つ“グローバル・ニッチトップ企業”には、次のような特徴が明らかだとされています。
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“fabcross Meeting”より

デジタル・ファブの世界が広がっていく中での“ものづくり”。興味深かったのは、背景にある“ひとづくり”が最重要キーワードになっていたこと。従来のアナログ技能の世界で繰り返し語られたことが、デジタル技術の進化があっても根底でほとんど変わりがないことを意味しているのでしょう。

fabcross201403
「fabcross Meeting ~ブームで終わらせない『次世代ものづくり』のあり方」 (Mar.23 2014)

デジタル・ファブリケーションの世界が広がっていく中での、新しいものづくりの担い手、環境などについて話し合われました。例によって、私の個人的なメモを数点、以下に残しておきます(発言者省略)。
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ものづくりの復権 02-パーソナルな工作意欲

個人でも使いこなせるデジタル工作機の出現は、ものづくりのあり方を変えていく可能性があります。利用者がメーカーになるということよりも、個人の考えやイメージを製作工程から直接反映していけることが重要なポイントでしょう。

家庭パソコン
〔特集「家庭のパソコンが面白い」:日経パソコン1990年1月8日号より〕

■20年前のfab事例?
上の写真は、パソコンがまだMS-DOSの時代だった1990年にパソコン誌に掲載された「家庭のパソコンが面白い」という特集記事の一部です(※注1)。まだ家庭でのPC利用率は高くなく、インターネットはもちろんつながらない時代。個人・家庭向けとして、やっと普及しつつあったパソコン通信サービス、デジタル(MIDI)対応の楽器、パイパーテキストという概念が初めて持ち込まれたソフトウェアHyperCard(マック用)といった道具を上手く使いこなしている事例や、業界での動き、将来ビジョンなどがまとめられています。
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ものづくりの復権 01-デジタルFabrication

「メーカー・ムーブメント(Maker Movement)」の話題が、一部の限られた人たちだけでなく、社会一般に広がる時を迎えました。日本では2012年後半くらいから、一般ビジネス誌でもこの流れを採り上げた記事が連続しています。

デジタルFabrication関連書籍
〔デジタルFabrication関連の書物〕

※「デジタルFabrication」「パーソナルFabrication」も「メーカー・ムーブメント」と概ね同じ文脈で使われます。本稿では「デジタルFabrication」という言葉を主に使うことにします。

■個人まで降りてきたデジタルものづくり
デジタルデータを基に3次元の物品を作り出す技術や機器はもちろん昔からあって、CAD(設計)、CAM(生産)、CAE(エンジニアリング …強度計算など)は半世紀近い歴史があります。昔は大型コンピューターが必須でした。それからミニコン、ワークステーション、パソコン~、とどんどん手元で扱えるよう進化しました。今では大規模製造業はもちろん、中小零細企業や、必ずしも高い専門製造技術を持たない企業であっても、当然のように使われる道具となりました。
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技の伝承と人材育成4(人材育成状況判断テスト)

今回試みた指標化を参考に、個別の企業や部署の人材育成状況を判断するための簡単なテストを作ってみました。人材育成に関わるアイデア発見につながるでしょうか。技の伝承はアートかサイエンスか…、あらためて考えてみたいものです。

分析図4
〔図4 “技能者育成指標”計算例〕

■アート的な伝達…サイエンス的な伝達
前回の記事まで3回にわたって、企業の人材育成が「個人力」(暗黙知的に人から人へ伝える方法に適したもの)と「集団力」(形式知化、マニュアル化により共有できるもの)のどちらの傾向を持っているかを示す指標を作ってみました。元になった調査は、JILPT(労働政策研究・研修機構)の調査報告書(※1)です。
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