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生産性向上を狙う「IT導入補助金」

「IT導入補助金」(正式には「サービス等生産性向上IT導入支援事業」)という制度が動き始めました。「ものづくり補助金」が主に製造業だったのに対し、こちらは主にサービス業が対象となりそうです。


〔IT導入補助金のスケジュール概要(一部未定)〕

■生産性を向上させる見込み数値を計画

平成28年度第2次補正予算で導入された「IT導入補助金」のスケジュールが発表されたので、経産省側からの口頭コメントも含め、図のようにまとめてみました(一部未定)。

この補助金をごく簡単に言うと、中小企業等(ユーザー)が

・パッケージソフト(またはパッケージサービス)の新規導入計画と、
・そのツールを使って生産性を向上する計画(見込み数値)を立て、
(クラウドも可、単純な会計や給与ソフトは不可、リースは不可)

・2017年3月の限られた期間にベンダーから製品を購入し、
・支払いを済ませ、導入を完了、稼働させたら、
(交付決定より先に購入、契約してしまったら対象外)

・20万円~100万円の範囲で、
・購入代金の一部(補助率2/3)が戻ってくる、
(つまり製品価格としては30万円~150万円が対象)

というものです。生産性向上計画はさほど複雑なものではなく、少しの工夫で指標を用意できると思われます。

■ベンダーがユーザーの申請を代行

IT導入支援事業者(ベンダー)とその製品の電子申請が今日1月11日夜から可能になります。

導入する中小企業(ユーザー)の交付申請は1月27日から2月末まで。ただし、ベンダーがユーザーの代わりに、補助金申請、購入の完了報告、さらには導入後3年間、毎年3月末に後年報告を行うので、ユーザーは自ら申請はしません。とはいっても、自社資料や稼働状況をベンダーに対して提供する必要があります。

詳しくは、事務局(一般社団法人サービスデザイン推進協議会)のサイトを参照してください。
https://www.it-hojo.jp/

消費税改訂では「仕訳辞書」にも留意

会計ソフトと消費税率改訂に関するちょっとしたメモ。「仕訳辞書」について、勘定科目の消費税率変更見落としに注意! 既登録の仕訳パターンの税率を、早めにすべて残らず設定し直した方がよいと思われます。

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[会計ソフトの仕訳辞書登録例]

4月から消費税率が改定されます。消費税改訂対応の会計ソフトであれば、伝票日付などを元に税率の初期値が「8%」となる設定になっているかと思います。もちろん、仕訳ごとに5%か8%か異なる事がありますので、その初期値を仕訳入力時に確認し、訂正する事になろうかと思います。

このあたりまでは経理処理上、当然皆さん注意されるでしょう。ただ、「仕訳辞書」を使っている場合、その辞書の内容を変更しないと、4月以降の税率変更を意外に見落としてしまう危険がありそうです。これまでと同様に仕訳辞書を呼び出して安心して伝票入力してたのに、実は税率5%のままで入力されていた…、なんてことに後から気づくことになるかもしれません(システムの仕様によるので、一概にはいえませんが)。

システムによってはかなりの数の仕訳パターンが元から登録されているでしょう。自ら登録したものもあるでしょう。これら既登録の仕訳パターンの税率を、早めにすべて残らず設定し直した方がよいと思われます(写真は、仕訳辞書設定の画面例)。もちろん、仕訳入力時に確実に確認できるなら問題ないのですが、ずっと後になって、ごくたまにしか発生しない仕訳について仕訳辞書に頼るといった可能性があります。ふと見落とす可能性がありそうですよね。

仕訳辞書など全く使わない、といったユーザーには関係ないかもしれません。でも仕訳辞書は、使いようによって、会計ソフト上の仕訳データベースを使いやすく整理させる効果を得られます。例えば「仕訳パターンの摘要欄に同じキーワードなどを登録しておくことで用語を統一し」「あとで間違いを見つけやすく」また「キーワード検索して管理会計上役立つ会計資料を作る」といった使い方ができるわけです。そうして便利に使っている方なら、念のため確かめておくことをお薦めします。

「Microsoft Excel ビジュアル活用法」

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【志村修一(著)、日経BP出版センター刊、1995年/1996年】

仕事仲間でもある志村さんの著書です。当社ではこの書の編集という立場で少しお手伝いさせていただきました。

〔目次〕
序章 ビジュアルフォームとは
第1章 ビジュアル経営分析
第2章 損益分岐点の分析
第3章 即効! ビジュアルフォーム集
第4章 小規模事業向け給与計算
第5章 宛名印刷付き簡易住所録
第6章 売上管理プロトタイプ

(1) 損益分析や給与計算といったビジネス分野のフォーム集で
(2) VBAプログラムリストでExcelデータを加工処理方法まで学べる

のですが、個人的には何より

(3) ビジュアルに描かれている表現が、見て楽しい!

ことが特徴と思っています。表計算ソフトというツールでここまでビジュアルに楽しく情報を表現できるのか~、というのが少し驚きです。

写真は「Excel5.0」版ですが「Excel7.0」版および「Lotus 1-2-3」版もあります。とはいっても、この本も出版してすでに10年経ってしまいました。今でしたら「Web上で数字データをいかに表現するか」、といった場面で参考になるかもしれません。

「これでバッチリ! 青色申告」

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【山田谷勝善、志村修一、小倉美香、井上きよみ、松山俊一(著)、井上一生(監修)、日経BP社刊、2000年】

どこか安易なタイトル(笑)ですが、中身はいたって真面目。弊社松山の企画をもとに5人で執筆しました。前身に「パソコンでかんたん 青色申告」という書籍があり、その改訂版です。改訂に伴い説明上使う会計ソフトを「弥生会計2001」に特化していますが、考え方としてはこのソフトに限ったものではありません。個人事業者が年間通じた帳簿付けを続け、最後に決算を確定させて確定申告に至る流れを具体的に説明しています。

Part1 確定申告とパソコン会計
Part2 青色申告に向けた準備
Part3 ソフト導入時の設定
Part4 スムーズな帳簿付けのために
Part5 間違いやすいポイント
Part6 決算2ヵ月前からの準備
Part7 申告直前の準備と決算の確定
Part8 青色申告を次に生かす

「パソコンでかんたん 経理入門」

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【日経BP社刊、1996年】

「パソコン流 経営改造ブック」と同様、税理士井上一生氏との共著です。前作が「経営的マクロ的視点から入り→実務的ミクロ的に展開している」のに対し、本書は少し切り口を変え「身近な実務的処理から入り→中長期のマクロ的考え方に展開」させています。また、ソフトウェアの新版を紹介するなどの情報を加えています。少し「お手軽本」的なイメージになってしまいましたが、パソコンの入門者によりわかりやすくなるよう工夫したつもりです。

目次
第1部 パソコンと経理の全体像
1 「パソコン帳簿」「パソコン経営」とは
2 パソコンの原理
第2部 パソコン帳簿の利用法
3 会計ソフトを使った帳簿づけの基礎
4 らくらく伝票
5 ファジイ会計
第3部 パソコン経営のポイント
6 資金繰り
7 月次損益分析
8 プロジェクト別管理と決算見積もり
9 経営計画と「未来会計」
10 経営の高度化に向けて
巻末資料 財務会計パッケージソフトガイド