「身体を測る」カテゴリーアーカイブ

身体を測る 11-脳の非侵襲的測定

脳の内部を客観的に測る装置として、fMRI、NIRSなどいくつもの測定器が普及しています。医学的な用途に限定されず、マーケティング、心理学、社会科学などさまざまな分野に応用されつつあります。ただし新たな“迷信”には騙されないよう。

脳測定
〔主な脳の内部測定機比較〕

■次々に研究される脳の内部
脳の内部を測定し画像などに投影する検査手法(脳イメージング技術)が、ここのところ注目を浴びています。脳を外科的に切り開くのではなく、電磁波や近赤外線などで非侵襲に測定できる技術で、行動と脳番地などとの関連を調べることができます。

これらは、例えばある種の心理学テストとか、アセスメント、アンケートやヒアリングを介した広告効果の測定といった方法に比べ、明らかに客観的な測定です。なにせ人間は、アンケートなどの答では意識的、無意識的にたくさんのウソをつきます。科学的定量的に測定しているつもりであっても、言葉を介した測定では本当の本音が埋もれてしまいかねないものです。それに比べると、脳の物理的な変化を直接汲み取った結果は、測定という意味においては確かに客観的です。
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身体を測る 10-「最新・疲労の科学(医学のあゆみ)」

“疲労を科学的に測る”手法が、結構身近になりつつあります。テレビの科学番組などでも採り上げられることが増えました。研究論文がまとめられ、専門医学誌に特集として「疲労の科学」が掲載された号をご紹介します。

「最新・疲労の科学」
【「最新・疲労の科学」医学のあゆみ第228巻・第6号、2009年2月7日、医歯薬出版刊】

■疲労のメカニズムから疲労回復のためのサプリまで
先日、大阪市立大学21世紀COEプログラム「疲労克服研究教育拠点の形成」主催(大阪産業創造館 共催)の「疲労を斬る!! ~疲れない、疲れを取るための商品・サービスづくりを目指す~」という公開シンポジウムを聴きに行き、その時に購入した本です。副題は「日本発:抗疲労・抗過労への提言」。同シンポジウムの発表内容などが満載された論文集です。

まず「疲労とは何か」という漠然とした問いかけに対し、現時点での科学的な考え方といくつかの仮説が提示されます。次にいくつかの代表的な疲労計測方法について、その手法と研究結果が示されています。さらに、疲労と疾患との関係や、診断・治療の指針または可能性に関する論文数本。最後に、疲れを取るためのサプリメント(トクホ商品)開発などの取り組みが、きちんとした研究データをもとに語られています。
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「ストレス測定法」

ストレス測定に関して本格的に学びたい人向けの専門書をご紹介します。前回の記事「身体を測る 09-ストレスの強さを測る」つながりです。

ストレス測定法・表紙
「ストレス測定法 ― 心身の健康と心理社会的ストレス」
【Sheldon Cohen、Ronald C. Kessler、Lynn Underwood Gordon(編著)、小杉正太郎(監訳)、1999年、川島書店】

■深く研究したい人向けの入門書
原題は”Measuring – Stress A guide for Health and Social Scientists”(1995年刊)。

〔目次〕
第1部 ストレスの概念化・ストレスと疾患との関係
 第1章 疾患研究におけるストレス測定方略
第2部 環境的視点
 第2章 チェックリスト法を用いたストレスフル・ライフイベントの測定
 第3章 インタビューによるストレスフル・ライフイベントの測定
 第4章 日常的なイベントの測定
 第5章 慢性ストレッサーの測定
第3部 心理学的視点
 第6章 ストレスアプレイザルの測定
 第7章 感情反応の測定
第4部 生物学的視点
 第8章 ストレスホルモンの測定
 第9章 心臓血管系の反応の測定
 第10章 免疫応答の測定
付録1 本書で言及されている尺度
付録2 わが国で開発、翻訳、発表されている尺度
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身体を測る 09-ストレスの強さを測る

人の「ストレス」は、物理的な方法と心理テスト的な方法という異なる側面から測ることができ、それぞれ長所短所があります。

ストレス
〔ストレスの種類と測り方〕

■精神状態を物理的に測る
多くの場合、「人の身体的な特性」や「身体的能力」は物理的に測るのが適当である一方、「精神的な特性」は心理テスト(質問法)のように少し主観的要素の入った測定にならざるを得ないのが普通です。たとえば体脂肪率は、本人にたんに質問したところであまり正確な答えは期待できませんが、体重と身体の電気抵抗を物理的に測定することで割り出すことができます(BIA法の場合)。逆に計算能力とかは、物理的に身体のどこかを測ったところでたぶんあまり意味がありませんが、計算テストをすればかなり正確にその能力を測定できます。
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「人間特性データベース」

サイト紹介:製品評価技術基盤機構が公開している、身体寸法や体力などの測定結果データベース。無料で利用できます。

http://www.tech.nite.go.jp/human/
nite人間特性データベース画面例

「標準的な人間の身体特性」をWeb上で検索することができます。快適な生活を送るための製品作りや生活空間作りなどに役立てることが主目的とされています。当ブログでは「身体を測る」をテーマの一つにしていますが、実際に存在する人の具体的な測定結果を簡単に確認するのに便利なサイトでしょう。
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