「宇宙飛行と組織」カテゴリーアーカイブ

「日本企業はNASAの危機管理に学べ」

「国際宇宙ステーション計画で、なんらかの悲劇的な事故が起きるのではないかと憂慮している」と著者は警鐘を鳴らしています。

日本企業はNASAの危機管理に学べ
「日本企業はNASAの危機管理に学べ!」
【澤岡昭(著)、2002年刊、扶桑社】

■宇宙プロジェクトにはやはり失敗も多い
以前の記事で採り上げた「組織行動の「まずい!!」学」と同じような「失敗学」の本といえます(こちらのほうが出版は先)。米国の宇宙機関の強さや賢さについてわかりやすく解説するとともに、宇宙からみの事故とそのマネジメント上での欠点について考察しています。
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「ドラゴンフライ」3-官僚組織化する宇宙機関

ある時期の成功の代償として、長い間に組織が官僚的になる。宇宙機関に限らず、一般の組織でよく起こる現象なのでしょう。

「ドラゴンフライ ― ミール宇宙ステーション悪夢の真実」(上)(下)
【ブライアン・バロウ(著)、北村道雄(訳)、寺門和夫(監)、筑摩書房、2000年】

本書で描かれている問題発生の背景を簡単な図で表してみました(説明後述)。
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「ドラゴンフライ」2-宇宙空間で危険な諍い

宇宙ステーションで起こるいくつもの争いを冷静に見てみると、それは現実社会(企業社会)で起こる人間関係の縮図のような気がしてきます。

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「ドラゴンフライ ― ミール宇宙ステーション悪夢の真実」(上)(下)
【ブライアン・バロウ(著)、北村道雄(訳)、寺門和夫(監)、筑摩書房、2000年】

「ドラゴンフライ」1-宇宙飛行士の“問題児”たち の続きとして、宇宙ステーションでの人間関係について少しご紹介します。

宇宙飛行士個人の諍いについてあげつらうつもりは毛頭なかったのですが、やはり気になる話題がたくさん出てきます。あらためてこの本を読んでみると、宇宙ステーションという特殊な閉鎖空間の話というより、我々のごく日常的な生活の中で起こる問題が分かりやすい形で切り出されたきた話のように思えます。
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「ドラゴンフライ」1-宇宙飛行士の“問題児”たち

あまり広く知られていませんが、宇宙飛行士同士の軋轢と宇宙機関の組織体質のひどさが、宇宙ステーション計画をぶち壊しそうにしたことが過去にありました。


「ドラゴンフライ ― ミール宇宙ステーション悪夢の真実」(上)(下)
【ブライアン・バロウ(著)、北村道雄(訳)、寺門和夫(監)、筑摩書房、2000年】

■宇宙ミッションをめぐるドロドロの物語
なぜこのblogは宇宙モノばかり採り上げるのかと言われそうですが、経営マネジメントの観点からも、当社の社名(ミール研究所)との関わりからも(笑)、やはりこの本に触れないわけにはいきません。この本には、NASA(アメリカ航空宇宙局)やRSA(ロシア宇宙庁)や宇宙飛行士個人の恥部とも受け取れる驚くべき告発が満載されています。あまりに生々しく、にわかに信じられないような(そのまま信じてしまっては物事の半面しかわからないだろうと感じられるような)記述もありますが、組織のあり方を考えるには良い題材となるノンフィクションです。
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「中年ドクター 宇宙飛行士受験奮戦記」

宇宙飛行士選抜のための項目を掘り出してみました。一般企業のスタッフの人選、社員の選抜、評価にあたっても、少し参考になるところがあるのではないでしょうか。

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中年ドクター 宇宙飛行士受験奮戦記
【白崎修一(著)、学習研究社(刊)、2000年】

■宇宙で貢献したいと思う強い意志
宇宙飛行士の資質や選抜については、「月の記憶 アポロ宇宙飛行士たちの『その後』」「フォロワーシップ(followership)」でも少しずつ触れました。この本はアポロとかの話とはまったく毛色が違い、39歳で初めて宇宙飛行士の選抜試験に応募し最終試験までいった方が、受験者の立場で選抜の様子を興味深く描いた本です。国内の、もしかしたら自分でもトライできると思わせるような身近に感じられる話になっているので、雲の上とも思える米ロの宇宙飛行士選抜の話とは違った面白さを感じさせてくれます。
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