築地周辺の商店が、ここ数年で大きく変化していきそうです。
[築地場外市場商店街]
■市場移転がもたらす影響
東京の築地中央卸売市場といえば、水産物と青果物を取り扱う都心の“台所”ともいえる市場で、とくに魚・水産関連では国内最大の“魚河岸”です。その築地の市場は、早ければ6年後の2012年(実際にはもう少し後になりそうですが)に豊洲に移転することが決定しています。昭和初期からの古い歴史のある築地市場は、中央卸売市場としての役割を終えることになります。その跡地に、誘致を目指している東京オリンピックのプレスセンターを作るとか、いくつかの構想があるようですね。
築地の場内で営業している多数の卸業者にとって、市場の移転とともに豊洲についていくか、はたまた別の営業方法を模索するか悩ましいところですが、築地市場の周辺の店もまた、大きな岐路に立たされているといえましょう。
ご存知のように築地市場の外には“場外市場”が大きく発展し、プロだけでなく一般消費者や観光客などが多数訪れる場にもなっています。卸売だけではない、別の機能を併せ持ったユニークな商店街として成り立っています。その場外からみて“本体”であったはずの市場が、いずれ移転してしまうわけです。場内の卸業者とは違う意味で、今後の展開を慎重に考えなければなりません。
■土日の人手が確実に増加
市場の移転が正式に発表されたのはまだついこの間のことですが、計画については5年以上前から繰り返し検討されていました。表向き「移転反対」を口にしながらも、ここで商売されている方々はずっと次の手を考えてこられたようです。
「今後、場外商店街はどのような位置づけに変わればよいのか…」
「卸売と小売の両面について、どちらをどのように重視していけばよいのか…」
「そもそも今の業態を続けることができるのか…」
その結論が出るのはまだ先でしょうが、すでにさまざまな試みがされていることも事実です。この商店街を4~5年Watch! してきた者の目からすると、すでに次のような変化が生まれていることが感じ取れます。
・プロの買出しが集まる早朝だけでなく、昼の時間の人出が確実に増えている
・平日だけでなく、土曜の人出が確実に増えている
・一般客が入りやすい店作りをする店舗が確実に増えている
ようするに今、長い時間をかけて一つの巨大な商店街がゆっくりと、でも確実に舵を取って変わっていくその真っ只中にあるといえそうです。大きな流れからすれば「卸から小売へ」「プロ相手から一般客相手へ」マーケットの対象が移っているのでしょうが、一方で「卸売、プロ向け」の商売をいかにきちんと成り立たせるかが重要な課題となっています。他の一般の商店街とは違うユニークさこそが、築地場外商店街とその周辺の店を成功させる重要な要素となっているようです。
場外市場商店街では年2回、恒例となっている「半値市」が開かれます。その名の通り、いくつかの目玉商品が「通常の半値」で提供され、大変な活気があります。詳しくは
築地場外市場商店街 http://www.tsukiji.or.jp/
▽関連情報:
東京都中央卸売市場
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