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コンビニ 1-新業態、増える

転換期といわれるコンビニの業態に、いくつもの新パターンがでてきました。しかし特徴を出そうとすると、結局既存の他業態に近づいていくようです。

fig_cvs1
[CVS新業態の位置づけ1]

■いよいよ飽和状態となったコンビニ
コンビニの優位性は、ある一定のフォーマット(店舗形式や商品構成)とある標準的なオペレーションで、生活のさまざまな用途に適した商品、サービスを提供できることにあります。もちろん見かけのオペレーションだけでなく、コンビニ本部の商品開発システム、物流システム、情報システムなどに裏打ちされて、あの業態が成立します。

しかし、現在、国内のコンビニの店舗数は約4万店。特に都市部では相当の飽和状態にあります。一説では、国内の店舗数の限界は5万店程度だろうとも噂されていて、各コンビニ・チェーンは頭をしぼってその生き残りを模索しているところです。

そうした現状が、各コンビニ・チェーン本部に、さまざまな新業態の開発を促しているといえましょう。ただし最大手セブン・イレブンは基本型の店舗フォーマットと異なる業態開発に懐疑的で、既存店舗内での実験にとどめています。

■生鮮コンビニ、100円コンビニ、シティ型コンビニ
マスコミでいろいろ報道されているように、コンビニの新業態には次のようなものがあります。

A 基本コンビニの補強型
コンビニ基本型とほとんど変わらないが、少し凝った特別な商品群が用意されている。
B ファストフード型
「A」よりさらに品揃えを特化または付加価値商品、サービスを取り入れたもの。どちらかというと女性向け、またはオフィス街需要を見込んでいる。
C 生鮮ショップ型
基本コンビニの最大の弱点である生鮮品の品揃えを重視したもの。1品99円など価格が一定している業態が多い。どちらかというと中高年の需要を狙ったもの。

これらをポジショニング・マップの形で位置づけしてみたのが、冒頭の図です。

コンビニ新業態のポジショニング・マップや性格付けはいろいろな方がいろいろなやり方で見せていると思いますが、ここでは
・店舗オペレーションが
単純さ重視か/付加価値をつけ少々複雑さがあるか
・品揃え商品が
生鮮または生活重視か/雑貨や各種サービス重視か
で縦横の軸を作ってみました。
(まだまだ軸の定義や、各店舗のあてはめ方などいい加減です)

■実際に訪れてみると…
各業態の狙いをいろいろ聞いてみると、結構魅力的に思えます。しかし、これらの店舗を実際に訪れてみると、必ずしも便利さが感じられなかったり、面白みがなかったりすることがあります。もっとも私のような「観察者」の目線は実際の利用者のニーズとはかけ離れていることが多いので、たんに「面白くない」からといって切り捨てるべきものではありません。

でも、これら数々の新業態でこれまで本格的な多店舗展開まで踏み込めたものとなると、ナチュラルローソン と ファミマ!! くらいでしょうか。上記分類でいうと「A」に限られます(※ローソンストア100をはじめ生鮮型CVSはすでに多店舗化しています…。追加記事参照)。そもそも基本型と相当近い店舗形態なので、これらを「新業態」と位置づけてよいものかどうかも疑問が残ります。

一方“とんがった”新業態は、その特徴を出そうとすればするほど、他の業態、つまりSHOP99のような生鮮100円ショップとか、スターバックスのようなコーヒー・チェーンに限りなく近づいてしまいます。そして「その分野」では、その専門のほうが強いわけで、わざわざコンビニの派生型を作る意義が薄れる危険性があります。

はたしてコンビニの新業態のなかでは、今後どこが成功を収めていくのでしょうか。コンビニ基本形の弱点やそもそもの小売業態に関する話も含めて、時々ウォッチしていきたいと思っています。

▽関連情報:
コンビニウォーカー

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…コンビニに関する基礎情報、最新情報がまとまって掲載されている

日経ビジネスonline ローソン 量産続く新業態の“忘れ物”
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20061130/114613/
…“定点観測”の1社としてローソンを採り上げている

コンビニ店員のつぶやき日誌!! コンビニ業界ニュース
http://park6.wakwak.com/~ukyou/
…コンビニに関するさまざまな情報

上田流通問題研究村 コンビニチェーン動向
http://www.d1.dion.ne.jp/~syunsyun/CVS.html
…流通業界および流通情報システム全般に関する情報