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ビジネスと社会の動き 卸売、流通市場

テオドル・ベスター著「築地」

築地魚河岸のことを一般の人が理解するために適した書籍といえるでしょう。公式の資料や説明書では埋もれてしまって見えない、中央卸売市場の日常やシステムについて、実に読みやすく書かれています。

つきじ
「築地」
【テオドル・ベスター(著)、2007年刊、木楽舎】

■著者の情報整理力
今年になって発刊された話題の本の一冊で、本当に興味深い本です。内容もそうですが、何といっても著者の情報整理能力に驚嘆します。

築地もしくは卸売市場システムというものは、喩えてみればジグソウパズルのようなもので、あれこれ関連資料を読んでみても複雑で今ひとつピンとこない場合が多いものです。特に公式の資料は、読み手におもねるほど平易な書き方をしていてさえも、結局わかったようなわからないような、隔靴掻痒の説明しかなかったりします。一方日常的に市場内で生きている人たちの言葉は、実感がこもって生き生きしているとはいえ、どうしても部分的なものになりやすく、ジグソウパズル全体のなかのどこに当てはまるピースを言っているのか、すぐにわかるとは限りません。