コンビニ 2-付加価値型の“実験店”

オフィス街や女性のニーズ、付加価値サービス、昼食のバリエーションに応えようとしたとき、コンビニはやけに“すまし顔”になるようです。


[付加価値型のコンビニ新業態 3種]

■女性が主役だと、何もかもが贅沢になる?
1つ前の記事「コンビニ 1-新業態、増える」で、コンビニ新業態を次の3種類に分類しました。

 A コンビニ基本型の補強
 B ファストフード型
 C 生鮮ショップ型

このうち「B型」を具体的に挙げると、次のようなものがあります。
・Gooz(グーツ)…スリーエフ
・HAPPILY(ハピリィ)…am/pm
・ForkTalk(フォークトーク)…サークルKサンクス

安易に「ファストフード型」と呼んでしまいましたが、これはGoozとForkTalkのイメージからくるものです。店内または店先に客席があるイート・インの店作りで、購入したばかりの食事類や飲食類を座ってすぐに食べることができます。

これらの店の最大のターゲットは20代~30代の女性。女性陣の要望にきちんと応えようとすると、どうしてもいろいろなところに贅沢さがでてきます。

■好きなコーヒーの種類を選べる
今年(2006年)5月に開店したGooz渋谷3丁目店は、一見スターバックスのようなコーヒーショップのようにも見えます(Goozの第1号店は2004年2月に横浜でオープン)。売り場面積130m2で、混雑時以外店内はゆったりしているようです。置いてある商品の多くは付加価値モノ(要するにやや高め)。そしてセルフのコーヒー・コーナーで多くの種類(17種類?)から好きなコーヒーを選ぶことができるというあたりが特徴的です。一言で言うと「スタバ+コンビニ」でしょうか。

同9月にオープンしたForkTalk八重洲通り店は、コーヒーショップというイメージはあまり強くありません。20席強の客席はゆったりしていて、長居したくなるほどです。店内調理でパスタなどをサービスできるのが特徴。店内調理品もすべてテイクアウト可。もちろん、カップラーメンなどインスタント食品を買って客席で食べても構いません。「小型パスタ店+コンビニ」といったイメージでしょうか。

HAPPILY(2005年12月オープン)は、上記2フォーマットとはかなり違います。イート・インはなく、広い店舗に約7000アイテムの商品を並べているようです(オープン時資料より)。コンビニ基本形が約3000アイテム、ForkTalkが約2000アイテムですから、品目はかなり多いことになります。惣菜類やデザートなども多数揃えていますが、“女性のためのコンビニ”と強く謳っているように、化粧品関連が非常に充実しているところが目立ちます。少し偏った表現かもしれませんが「小型ドラッグストア+コンビニ」のようにも思えます。

■実験店舗の域を脱出できるか
イート・インは、以前からミニストップが実践してきました。しかし、少なくとも都会ではどうしても広い客席を用意することができず、オフィス街で、もしくは女性が安心して利用する形にはなっていませんでした。多種類のコーヒーとか調理パスタなどは期待されていなかったわけです。その他、女性誌、アイスクリーム、サプリメント、あぶらとり紙(!)、など女性向けの商品があふれて“すまし顔”の各店は、それぞれの店の近場で働くビジネス・ウーマンにある程度支持されることでしょう。

しかし、これらすべては「実験店舗」。車で言えばコンセプトカーのような位置付けなのでしょう。都心ではあまりにも空間効率が悪すぎるでしょうし、商品戦略も明らかに試行錯誤をしているようです。これらの店がこのままのフォーマットで多店舗化されることは考えにくいでしょう。実際、一部はすでにフォーマットの見直しを進めているとも伝えられています。

東京日本橋では、託児所併設のコンビニ新業態「ハッピー ローソン」が今(12月15日)まさにオープンしようとしています。これも形を変えた「付加価値型の実験店」といえそうですね。土地利用の関係もあり、約6カ月の限定営業とのこと。ローソンは1年ほど前からこのタイプの店舗開発を発表していたことからすると、実験店の開店にたどり着くまでにも、予定より長い準備期間を要したようです。

実験店だからこそ挑戦できる試みは多いことでしょう。でも、もしかしたらフォーマットを試行錯誤した結果、“普通のコーヒー・ショップ”、“普通のパスタ店”、“普通のドラッグストア”、“普通の託児所”が店の軸足となるかもしれません。もちろんそれでも、トライする価値は多分にある…、と思っています。

▽関連情報
太田美和子の取材日記 Gooz渋谷3丁目店
 http://blog.goo.ne.jp/momoboom/e/0754ed437af90f2980a2462096cc4774
 …Goozに限らず、小売などに関する第三者的な記事多数

次世代コンビニの情報は『次世代コンビニブログ☆』 Fork Talk(フォークトーク)
 http://ameblo.jp/next-conveni/entry-10018129447.html
 …Fork Talkに限らず、各コンビニ店、コンビニチェーンの記事多数

小さな石ころの上で 女性のためのコンビニ「HAPPILY(ハピリィ)」
 http://blog.fujii.org/?eid=405661
 …HAPPILYに限らず、小売流通ほかビジネス情報各種


「コンビニ 2-付加価値型の“実験店”」への2件のフィードバック

  1. 07年5月末でHAPPILYは閉店。多店舗化は白紙。「顧客層を絞りすぎた」とのこと。

  2. ForkTalkもいつの間にか(08年9月?)閉店していました。IR資料から月商800万円(日商25万円~30万円)だったことがわかります。

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