「職人技」タグアーカイブ

技の伝承と人材育成1(JILPT調査より)

モノづくりで強みを発揮し続けるため、メーカーは職人技の伝承に苦心しています。個人から個人へ熟練技術を直接伝授する方法。そして標準化・システム化を通じて集団でノウハウを残す方法。この2つを両輪とした技能者の養成が基本といえそうです。

調査集計の図1-1
〔図1-1 技能系社員に求める知識・技能1〕

■機械・金属関連産業に対するアンケート調査
中小企業はもちろん大企業においても、経験豊かな技能者たちが次々に引退する時期を迎えていて、職人技をどのように次の世代につなげるかが大きな課題になっています。技を引き継ぐべき中堅層の薄さも指摘されています。前回記事「中小企業の技術マネジメント」で触れた、「就業者100人のうち1人」いるはずの優秀な職人たちの技は、企業内でどのように伝承されようとしているのでしょうか。

この08年5月に公開されたJILPT(労働政策研究・研修機構)の調査「ものづくり産業における人材の確保と育成-機械・金属関連産業の現状-」という調査結果の一部を紹介します(※1)。前回の記事で採り上げた書籍とは著者も内容も違いますが、調査・分析対象はまったく同じ「金属・機械産業に属する中小企業の技能者・技術者」です。
続きを読む 技の伝承と人材育成1(JILPT調査より)


「中小企業の技術マネジメント」

中小企業の人材育成に関連した書籍。日本独自のモノづくりの強さを支えていると言われる金属・機械産業に属する中小企業に焦点を当て、技術の強化、育成などに役立つ考え方が示されています。

中小企業の技術マネジメント
「中小企業の技術マネジメント」
〔弘中史子(著)、2007年刊、中央経済社〕

■中小企業のモノづくりの強さ
工場など製造現場はコンピューター制御が当たり前になり、モノづくりの現場は人手に頼る世界から自動化された機械に任せる世界へと比重が移ってきました。わけのわからない“伝承”“秘伝”の世界から脱し、プログラムや言葉でスマートに製造過程を取り仕きれるようになることは「進化」と呼ばれます。進化の結果、工場はより適した海外にも移せるようになり、日本の製造業は空洞化するとも言われました。
続きを読む 「中小企業の技術マネジメント」


「中小企業の人材育成作戦」

中小企業の組織は本当に生き物のようなもので、見かけや数字だけではなかなか推し量ることができません。きっちりした制度がないから組織ができていないというわけではなく、社員の育成も“自在流”で成功しているところが少なくありません。

中小企業の人材育成作戦
「中小企業の人材育成作戦」
【川喜多喬、九川謙一(著)、東京商工会議所(監修)、2006年刊、同友館】

■多数の事例からヒントを取り出す
副題は「創意工夫の成功事例に学べ」。人材育成を切り口に、創意工夫を凝らしている元気な中小企業に焦点を当ててその事例をまとめた書籍です。25社以上の事例がそれぞれのテーマごとに分解して紹介されていて、中小企業経営者にとっては、経営のヒントをあちこちから見出せることでしょう。

ほんの数行単位で細かい事例が次々に紹介されるスタイルなので、読みようによっては“とりとめもなく”事例の断片が書き連ねられているだけ、と感じるかもしれません。しかし、一般に中小企業は、組織の整った大企業とは質的にも異なり、どの会社をとっても「特殊事例」のようなものといえます。
続きを読む 「中小企業の人材育成作戦」