「書評」タグアーカイブ

高田瑞穂著「新釈現代文」

30年くらいぶりに文庫として復刻された参考書。「大学入試用」とされていますが、もっとずっと広い読者に役立つ書籍だと思われます。さまざまな文章表現について、その読み取り方のコツを掴めるかもしれません。社員教育にも…?

新釈現代文カバー
〔旧版「新釈現代文」カバー、価格は450円〕

■50年前の参考書の復刻
実は30年以上前に購入した版を私(松山)は未だに持っていて、しかもしまい込まず、手にとって読める本棚にずっと置いてあります。でも、この本が世の中で「伝説の参考書」と呼ばれていたことは、今日までまったく知りませんでした。個人的な意見を先に出すと、「文章で表現された何がしかの“考え”を掴み取るコツ」を解説した解説書兼トレーニング本だと思っています。
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インシデント・プロセス

事故(アクシデント)につながりかねない出来事(インシデント)に気づき、必要な情報を集めて処置をする。事例を基にした演習手法の一つで、教育訓練に利用されています。さまざまなバリエーションがあります。

インシデント・プロセス事例研究法
〔インシデント・プロセス事例研究法〕

■ケーススタディ的な訓練手法
インシデント・プロセス(Incident Process)とは事例演習の一つで、“問題が起こりつつある状態”または“ある発生した出来事”が知らされ、そこからさらに必要な情報を収集、分析して問題解決を行っていく手法です。一般のケーススタディのように背景事項などを含めた長い事例説明文が提示されて、じっくり読み込んでから解決策を探っていくという方法と違い、当初は「組織図と、半ページ程度の長さの事例文または画像やロールプレイ」だけで演習を開始します。必要な情報は(講師や当事者への)質問を通じて自ら探していくことが求められます。
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「管理能力開発のためのインバスケット・ゲーム」

インバスケット・ゲーム(未決済の情報をみて、その処理方法を考えさせる演習)という技法を、マネジメント能力育成に主眼を置いて解説した専門書。この手法の理解のほか、前提となる個人特性(パーソナリティ)についての説明も役立ちます。

インバスケット・ゲーム
「管理能力開発のためのインバスケット・ゲーム [改訂版]」
【槇田仁、伊藤隆一、小林和久、荒田芳幸、伯井隆義、岡耕一(著)、2008年刊(初版は1988年刊)、金子書房】

■管理能力開発の一手法
いわゆる未決箱(インバスケット、in-basket)に入っているさまざまな情報を取り出して、限られた時間内にその対処法を考え、処理していく演習のことを「インバスケット法」といいます。企業などの架空ケースを想定して、その条件の下でいかに適切に処理できるかを文章で回答する演習です。個人の能力測定(アセスメント)に使うときは「インバスケット・テスト」、能力開発に使うときは「インバスケット・ゲーム」といった言い方をします。
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「中小企業の技術マネジメント」

中小企業の人材育成に関連した書籍。日本独自のモノづくりの強さを支えていると言われる金属・機械産業に属する中小企業に焦点を当て、技術の強化、育成などに役立つ考え方が示されています。

中小企業の技術マネジメント
「中小企業の技術マネジメント」
〔弘中史子(著)、2007年刊、中央経済社〕

■中小企業のモノづくりの強さ
工場など製造現場はコンピューター制御が当たり前になり、モノづくりの現場は人手に頼る世界から自動化された機械に任せる世界へと比重が移ってきました。わけのわからない“伝承”“秘伝”の世界から脱し、プログラムや言葉でスマートに製造過程を取り仕きれるようになることは「進化」と呼ばれます。進化の結果、工場はより適した海外にも移せるようになり、日本の製造業は空洞化するとも言われました。
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「中小企業の人材育成作戦」

中小企業の組織は本当に生き物のようなもので、見かけや数字だけではなかなか推し量ることができません。きっちりした制度がないから組織ができていないというわけではなく、社員の育成も“自在流”で成功しているところが少なくありません。

中小企業の人材育成作戦
「中小企業の人材育成作戦」
【川喜多喬、九川謙一(著)、東京商工会議所(監修)、2006年刊、同友館】

■多数の事例からヒントを取り出す
副題は「創意工夫の成功事例に学べ」。人材育成を切り口に、創意工夫を凝らしている元気な中小企業に焦点を当ててその事例をまとめた書籍です。25社以上の事例がそれぞれのテーマごとに分解して紹介されていて、中小企業経営者にとっては、経営のヒントをあちこちから見出せることでしょう。

ほんの数行単位で細かい事例が次々に紹介されるスタイルなので、読みようによっては“とりとめもなく”事例の断片が書き連ねられているだけ、と感じるかもしれません。しかし、一般に中小企業は、組織の整った大企業とは質的にも異なり、どの会社をとっても「特殊事例」のようなものといえます。
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