江戸東京たてもの園

東京小金井市にある「江戸東京たてもの園」には、銅板建築のほか古い建築物がいくつか保存されています。

丸ニ 武居
(左)丸二商店・銅板建築/(右)武居三省堂店内・桐箱の引出し

■銅板建築をゆっくり観察できる
銅板建築 1―“昭和元年”が消えていく」ほかで、昭和のはじめに建築された銅板建築について触れました。街中に現存しているというわけではありませんが、江戸東京博物館の分館ともいえる「江戸東京たてもの園」に数棟、移築されて残されています。街に現存している銅板建築の建物だと、住人もいますし、なかなかゆっくり観察できるとは限りません。でもここなら細部まで観察できます。

Watch our steps! – webpage 「銅板建築の写真一覧」で街中の銅板建築の写真をリスト化していますが、たてもの園の写真についても番外「銅板建築-江戸たてもの園」として掲載しました。

こうして建造物を移築するのに、どのくらい費用や手間がかかっているのでしょうか。銅板建築を新しい店舗に再利用するためのヒントがもっとあればと思ったのですが、園内の図書館でもさすがに実務的なデータを見つけることはできませんでした。

■歴史的建築物を復元
上の写真右側は神田須田町にあった文具店の店内です。おびただしい数の桐箱が壁に積まれているほか、毛筆とか墨汁とか、古いダンボールとか、本当に建物が“生きたまま”再現されているのに驚かされます。

もちろんこのたてもの園には、昭和初期の商業建築物だけでなく、江戸時代の民家、明治の土蔵、明治・大正・昭和の住宅などが立ち並んでいます。”懐古趣味”といわれてしまえばそれまでですが、東京の街には残り少ないだけに興味深いです。

下の写真は昭和4年建設の銭湯子宝湯。湯船からみた光景。建物の外まで見えます。
子宝湯

▽関連情報:
銅板建築リスト番外編) 江戸東京たてもの園